最初の一歩
昭和もそろそろ終わりを迎えるころ。
子供たちは夏休み直前で浮足立つ季節に私は産まれた。
産まれることは本当におめでたいことだろうか?
幸せなことだろうか?
必ずみんな生まれてきて良かったと思えるのなら
なぜ赤ちゃんは必死に泣くのだろう。
辛い未来が、試練が、わんさか待っていて
それでもなお希望にすがって生きていかなくてはいけないことを
分かっているから悲しいんじゃないだろうか。
産まれた時の私は、何を思って必死に泣いていたんだろう。
父はジャズミュージシャン。
母は温泉街の芸者として働いていた。
そんな異色な2人の間に、2番目の子供として生を受けた。
2歳上の姉がいた。
とても賢く、とても意地の悪い、大嫌いな姉だ。
この先何十年と続く試練が始まった憂鬱なunhappy birthday.........